交通事故によるお怪我に関する民事損害賠償を行う場合、お怪我の内容や程度、治療推移は様々な損害費目の算定のときに参照されます。

• 治療に関する損害：治療費、通院交通費など
• 治療中に発生する損害：休業損害、傷害慰謝料など
• 症状固定時期
• 後遺障害に関する損害：後遺障害逸失利益、後遺障害慰謝料など

そして、お怪我の内容や程度、治療推移がどのようなものであったかは、医師の判断が非常に重視されます。

そのため、交通事故でお怪我をされた場合、

• まずは医師に症状が生じていることと症状の内容をしっかりと伝えること

が大切になります。医師に伝えることで、その症状を診断書やカルテ・診療録に記録いただき、後に民事損害賠償交渉を行うときに、しっかりとした証拠となります。

治療費を支払う相手方保険会社（対人社）との関係でも、治療費を支払う保険会社は、治療期間が延びると担当医に対して患者の状態や治療の必要期間について照会を行います。その際、患者からの申告が弱く、医師が症状を軽度と感じてしまっていると、早期の治療費支払打切りのきっかけを与えてしまいかねません。

症状固定の判断も同様で、治療効果が見えづらい傷病故に、患者からの治療を求める声がなければ医師としても早期に症状固定を判断してしまうことがあり得ます。

こういった事態を避けるためにも、伝え方に配慮して医師に症状を正確に伝え、診断書やカルテ、診療録に記録していただくことが大切なのです。

症状を医師に伝える際は、特に以下の点にご留意ください。

• 症状が発生している部位
  首であれば首のどのあたりなのか、手や足であればどの部位・どの指なのか、具体的に特定して伝える必要があります。
  厳密に特定できないときは、このあたりといった表現でも構いません。
  症状が発生している部位を医師が見落とさないようにはっきりと伝えましょう。
• 症状の種類
  痛み、痺れ、その他症状（吐き気・めまい・耳鳴り）について、可能な限り言葉にあらわして伝えましょう。
  特に後遺障害の認定のときは、どのような症状があったのかが重視されます。（常時痛や常時の痺れであれば後遺障害認が認定されやすくなる傾向にあるといわれています）
• 症状の推移
  交通事故に遭われたときからどのように推移しているのかもお伝えすることが重要です。
• 生活、仕事への影響
  症状が、日常生活やお仕事にどのように影響してるのかも継続してお伝え下さい。

これらの点について、分かりやすい伝え方で日頃から医師に丁寧に伝えておくことが重要です。それによって、医師が診断書、カルテ、診療録に記録し、民事損害賠償の際の証拠とすることが期待できます。

弁護士法人オリオン法律事務所では、事故後の治療の段階から、医師とのコミュニケーションや日常生活で気をつけるべき点、診断書、カルテ、診療録といった資料の重要性を踏まえた症状の伝え方に関するアドバイスなど、ご依頼者のお悩みに具体的なアドバイスを差し上げてサポートしております。

交通事故の治療に関してご不明点、お困りのことがあるときは、弁護士法人オリオン法律事務所までご相談ください。