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嗅覚・味覚障害、歯牙障害、脾臓喪失と
労働能力喪失への影響

後遺障害が認定された場合、等級に応じた後遺障害逸失利益を損害として認定するのが一般的な実務です。

しかし、例外的な対応を検討しなければいけない場合も多くあります。どのような対応が考えられるか、弁護士法人オリオン法律事務所が詳しく解説いたします。

  • 労働能力喪失率の認定方法 → こちら
  • 被害者に減収がない場合の喪失率の認定 → こちら
  • 被害者の職業に応じた喪失率の認定 → こちら
  • 被害者の具体的な症状に応じた喪失率の認定 → こちら
  • 労働能力喪失期間の認定 → こちら
  • 外貌醜状と労働能力喪失への影響 → こちら
  • 鎖骨変形、骨盤骨変形の障害と労働能力喪失への影響 → こちら
  • 脊柱その他の体幹骨の障害と労働能力喪失への影響 → こちら
  • 下肢の障害と労働能力喪失への影響 → こちら
  • 【本記事】嗅覚・味覚障害、歯牙障害、脾臓喪失と労働能力喪失への影響

給与所得者

嗅覚・味覚障害は、後遺障害等級表に明確な定めはありません。

もっとも、自賠法施行令別表第2備考6「各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であって、各等級の後遺障害に相当するものは、当該等級の後遺障害とする」

の適用により、

  • 嗅覚・味覚脱失が各12級相当(労働能力喪失率14%)
  • 嗅覚・味覚減退が各14級相当(同5%)

に、それぞれ位置付けられています

嗅覚・味覚障害の労働能力に対する影響は、前提とする被害者の職業(将来就職し、又は転職する等の可能性が具体的に認められるものを含む)によって大きく異なります。

  • 例えば料理人、ソムリエ、溶剤を取り扱う職人等、嗅覚・味覚が仕事の可否及び内容に直結するような職業に被害者が就いている場合には、嗅覚・味覚障害の労働能力に対する影響は明らかです。
    このような事例では、実態に合わせて労働能力喪失率表の数値を超える喪失率を採用することも考えられます。
    飲食店関係者については実際に逸失利益を認めた裁判例があります。
    • 東京地判平成24年9月28日交民45巻5号1216頁
    • 東京地判平成25年11月13日交民46巻6号1437頁
    • 東京地判平成26年12月4日自保ジャーナル1945号9頁
       
  • 被害者が主婦である場合にも、家事労働に重大な支障を生じると考えられることから、嗅覚・味覚障害の労働能力に対する影響を認めることができます。
    • 東京地判平成25年5月27日判例秘
  • これら以外の職業に被害者が就いている場合には、嗅覚・味覚障害の労働能力に対する具体的影響はさほど考えられず、後遺障害による逸失利益は否定される傾向にあります。

労働能力喪失期間に関し、嗅覚障害は、発生した機序によっては回復の可能性もあるといわれています。
事案によっては、障害が発生した機序を検
討し、回復可能性の有無及び程度を分析して判断する必要があると考えられます。
なお、後遺障害による逸失利益が否定される場合には、嗅覚・味覚障害による日常生活上の不都合、不利益等を十分に考慮し、当該後遺障害等級に該当する後遺障害を残存した場合に通常認められる以上の慰謝料額を算定することも検討すべき場合も、当然ありえます。

喪失率表に縛られない算定の必要性

歯牙障害は、後遺障害等級表上、歯科補綴を加えた本数に応じて5段階に区分されています。

  • 14歯以上に歯科補綴を加えたものが10級
  • 10歯以上に歯科補綴を加えたものが11級
  • 7歯以上に歯科補綴を加えたものが12級
  • 5歯以上に歯科補綴を加えたものが13級
  • 3歯以上に歯科補綴を加えたものが14級

歯科補綴を加えたものとは、

  • 現実に喪失又は著しく欠損した歯牙に対する補綴

をいい、

  • 義歯
  • ブリッジ
  • インプラント

などが該当します(より詳細には、歯冠部の欠損程度や役割(支台となっているか)などにもよります)

労働能力喪失の面から検討すると、歯科補綴を加えることにより、歯の機能は回復するのが通常です。歯牙障害の労働能力に対する具体的影響はさほど考えられず、後遺障害による逸失利益は否定されることが一般的です。

しかし、歯を食いしばって力を入れるような仕事では、歯科補綴したこと自体による労働能力に対する影響が考えられないわけではありません。
また、歯牙障
害を原因として後遺障害等級表のいずれの等級にも該当しない程度の言語機能障害を残存した場合であって(自賠責制度が準拠する労災制度の障害等級認定基準によれば、歯牙障害とこれに基づく後遺障害等級表のいずれかの等級に該当する言語機能障害とを残存した場合には、各障害に係る上位の等級をもって認定するとの取扱いがされます)、他者とのコミュニケーションが重要な職業に被害者が就いているときは、同様に労働能力に対する影響が考えられないわけではありません。
このような場合には、被害者の職業、歯牙障害の
職務に対する具体的影響等を総合的に考慮して、労働能力喪失の有無及び程度を判断することになります。

  • 横浜地判平成24年1月26日自保ジャーナル1876号65頁
    11級の歯牙障害のほか新基準における相当程度の醜状(9級)を残存した作業療法士について、歯を食いしばれないことや発音上の問題を指摘して労働能力喪失率を15%と判断。

なお、後遺障害による逸失利益が否定される場合には、歯牙障害による日常生活上の不都合、不利益等を十分に考慮し、当該後遺障害等級に該当する後遺障害を残存した場合に通常認められる以上の慰謝料額を算定することも検討すべきです。

脾臓喪失

従前、牌臓喪失は、後遺障害等級表8級に位置付けられていましたが、牌臓の機能の詳細が必ずしも明らかとなっていないこともあって、牌臓を喪失してもその機能はほかの臓器(骨髄、肝臓、リンパ節)が代償するので人体に特段の影響はない等の議論もあることから、労働能力喪失の有無及び程度が争われることが多い類型の後遺障害でした。

裁判例では、細菌感染防御能力の低下、易疲労性等、牌臓喪失による身体機能に対する一定の影響を認定した上、被害者の職業、減収の有無及び程度等を総合的に考慮して、15%ないし40%の労働能力喪失率を認定するものが多かったようです。

このような中、労災制度については、胸腹部臓器の障害認定に関する専門検討会が取りまとめた平成17年9月30日付け報告書に沿って、平成18年に労働基準法施行規則及び労災保険法施行規則が改正され、自賠責制度についても、同様に後遺障害等級表が改正されました。この結果、平成17年4月1日以降に発生した交通事故により牌臓喪失の後遺障害を残存した場合には、後遺障害等級13級(労働能力喪失率9%)に位置付けられることになりました。

牌臓喪失は、反対意見の存在を踏まえた検討を経て、下位の等級に変更されたことになります。

後遺障害等級表の改正の経緯及び内容を踏まえると、牌臓喪失については、基本的に現在の後遺障害等級表の等級及び労働能力喪失率表の喪失率を採用することが妥当と考えられます。

弁護士法人オリオン法律事務所のサービス

弁護士法人オリオン法律事務所といたしましては、後遺障害等級認定及び労働能力喪失率表を正確に理解するだけでなく、その限界、等級認定表や喪失率表に縛られない主張・立証により依頼者・ご相談者の利益を最大化することが務めだと考えております。

後遺障害逸失利益についてお困りの際は、弁護士法人オリオン法律事務所までご相談ください。

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